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アムステルゴールドレース
文章:本站原创  |   投稿時間:2016/4/19 18:06:51  |   チェック回数:1021

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 「亡きチームメイトのために」、これこそがエンリコ・ガスパロット(ワンティ・グループゴベール)のモチベーションだった。先日行われたブラバンツペイルで2位に入ったが、悔しさを爆発させた男は、今度こそその勝利を天に捧げた。「この勝利はアントン・デモイティエに捧げるよ、天に届け」ガスパロットは天を指さしつぶやいた。

 
北のクラシック最終戦パリ~ルーベ同様に、展開は大きく荒れたサバイバルレースとなった。次々と有力候補が落車やペースダウンで脱落、優勝争いは少数に絞られたダークホースたちの闘いとなった。先行するのは飛び出したティム・ウェレンス(ロット・ソウダル)ただ一人、そんなレースの勝負どころ、カウベルグで最も輝いたのは青いジャージに身を包んだガスパロットだった。ミカエル・ヴァルグレン(ティンコフ)を引き連れアタックを決めると、誰よりも軽々とカウベルグを上っていった。
 
ウェレンスを捉え、そのまま後続とのタイム差を広げた2人は、その僅かな後続との距離を保ち続ける。ヴァルグレンにとってはまたとない大金星のチャンス、リスクを背負ってガスパロットを牽引する。最後は直接のスプリント対決となり、勝負勘の差、年の功を見せつけたガスパロットがヴァルグレンを振りきって、2012年以来の勝利をアムステルゴールドレース2勝目で飾った。3位争いはソニー・コルブレッリ(バルディアーニCSF)が好調なブライアン・コカード(ダイレクト・エナジー)を抑えきって表彰台を獲得した。
 
「2012年勝利した時は、アウター(53)ではなくインナー(39)で上ったんだよ。今日も全く同じようにしようと思ったんだよ。カウベルグへのアプローチのコーナーではオーバースピードでこけかけたんだ。カウベルグに上りだしたら、誰もアタックをしないから、”だったら行くしかないでしょ!”って思い仕掛けたんだ。あとはもうアウターに入れて踏み倒してゴールを駆け抜けたんだ。」
 
「僕にとっての幸運はヴァルグレンが一緒に来てくれたことだね。一人だったら間違いなく後続に飲み込まれていたと思う。カウベルグでは向かい風がすごかったからね。それに他の選手だったら、おそらく駆け引きが始まって後続に追いつかれていたと思う。彼の一つでも上の順位を狙ったあの走りに救われたね。そしてもう一つは今日は勝利をしようというチームの士気の高さだね。デモイティエに最高の結果を届けたいというみなの気持ちが一つになったんだよ。」
 
「デモイティエの親友とレースに出ている最中に、彼の事故を聞いたんだよ。そして彼の奥さんに電話連絡をしてくれと頼まれた時点で、事の深刻さを認識したんだよ。もう寝られなかったよ。朝を迎えて、打ちひしがれてるところへ抜き打ちのドーピング検査が自宅に来たんだよ。まあ彼らの仕事ではあるけど、正直空気を読んで欲しかったね。」
 
「僕は既にトレーニングの予定を入れていたんだけど、チームメイトにそのままトレーニングをしてレースの準備をするか、デモイティエの葬儀に参列すべきかを聞いたんだよ。皆の答えは、準備をして、レースに勝ってくれ、だったんだ。一人でトレーニングできたことで、いろいろなことを考え整理し、そして集中することが出来たよ。僕はチームの中ではベテラン、勝利を委ねられる立場だからね。そして昨日はデモイティエの奥さんが僕らを激励に来てくれたんだ。”勝て!”ってね。僕も妻がいる。気丈に振舞っているのをみるのは辛かったよ。そしてあの事故がだれにでも起きうることだと改めて実感したよ。」格下のプロコンチネンタルへ移籍しても腐ること無く走り続けたベテランの味のある走りに、チームメイトの為というモチベーションが加わったことで、最高の結果となった。
 
荒れた展開だった。スタート前にファビオ・フェリーネ(トレック・セガフレド)が単独落車、顔面から強く地面に叩きつけら全く動くことが出来なかった(検査の結果頭蓋骨骨折など)。そのままリタイアとなり、レースは波乱を予感させた。
 
まずは期待の若手ティス・べノート(ロット・ソウダル)がスタート後に体調不良でリタイア、またこの日は何度となく落車が発生、ホアキン・ロドリゲス(カチューシャ)、アレクシス・ヴュイエルモーズ(Ag2R)が地面に叩きつけられ、そしてレースが展開するごとに有力勢が脱落していく姿が飛び込んできた。
 
11人の逃げが発生したが徐々に崩壊、そんな中4人の追走が発生するもこれまた不発、その後も単発的にアタックがと吸収が繰り返される。残り距離が少なくなっていくなか、アルデンヌマイスターの異名を取るフィリップ・ジルベール(BMC)が脱落、大会前の骨折の代償を払うこととなる。
 
そんな中今度はミカル・クウィアトコウスキー(チームスカイ)までもがまさかの脱落してしまう。トム・デュムラン(ジャイアント・アルペシン)もパンクで遅れをとる中、そうなると集団の主導権はオリカ・グリーンエッジへと移り、パリ~ルーベを制したマシュー・ヘイマンが、マイケル・マシューズの為に必死の牽引を見せる。そして逃げは残り14kmで全て吸収、レースはかなり絞られた人数での勝負になっていた。
 
そしてロマン・クロイツィゲル(ティンコフ)がまずアタック、そしてそれを捉えつつ残り8kmで今度はウェレンスがアタックを仕掛けた。
 
しかし勝利の女神は、最後のカウベルグでガスパロットに翼を与えた。そのまま残り距離を逃げ切るガスパロットの姿に、彼がこのレースで背負っていたものの大きさを感じさせた。
 
アムステル・ゴールドレース
優勝 エンリコ・ガスパロット(ワンティ・グループゴベール)   6h18’02”
2位 ミカエル・ヴァルグレン(ティンコフ)
3位 ソニー・コルブレッリ(バルディアーニCSF)   +04”
4位 ブライアン・コカード(ダイレクトエナジー)
5位 マイケル・マシューズ(オリカ・グリーンエッジ)
6位 ジュリアン・アラフィリップ(エティックス・クイックステプ)
7位 ディエゴ・ウリッシ(ランプレ・メリダ)
8位 ジョバンニ・ヴィスコンティ(モビスター)
9位 ロイック・ヴリーゲン(BMC)
10位 ティム・ウェレンス(ロット・ソウダル)

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