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ロードバイクにディスクブレーキは必要か?
文章:本站原创  |   投稿時間:2015/12/5 21:02:35  |   チェック回数:1432

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UCIが暫定的に2016年度のロードレースシーンでディスクブレーキを解禁することに関して、世界スポーツ用品製造者連盟 (WFSGI)の思惑があることはすでに周知の事実だ。昨今の自転車開発での規格乱立など、消費者そっちのけでのシェアの奪い合いを見ても分かる通り、自転車業界はあくまでも業界主導で動いているマーケットだ。今までの規格で売れなくなれば新しい企画を出して、しかも互換性をなくして買い替えを促すのだ。これ自体は商売としては、戦略の一つであり問題はないが、今回のUCIへの決定への影響力の及ぼし方には納得しかねる。

そもそも今までも危険な天候でレースが続行されるケースなど、選手側とUCIとはことあるごとに”安全”の定義で対立してきた。しかし、今回は選手たちが声を上げにくい状況にある。スポンサースポーツであるロードレースにおいては、やはりスポンサーに対して批判的な声を上げにくいのも事実だ。実際に鳴り物入りで解禁されたシクロクロスで、結局は使用者が増えないという現実が、その一つの答えとも言えるだろう。より個人競技に近いだけに、個々の選択が反映されやすい側面があるだけにシクロクロスではこのようになったが、チームスポーツであるロードレースでは、様々な意味でチームが決めたことならば皆が従わなければいけないという強制力があるだけに嫌でも仕方がなく乗らなければならないという状況が生まれそうだ。

ロードにおけるディスクブレーキのメリットは、やはり雨天でもブレーキングが安定して行えることだろう。しかし全体的に見ればデメリットが多く、重量増加、メンテナンス性、互換性の無さ(ニュートラルサポートはより大変となる)など、次々と思いつく。そしてデメリットとして何より決定的なのは、荒れた路面ではない舗装路のような平坦な路面、そしてスリックタイヤという条件下では、ちょっとしたことでスリップをする可能性が増えるということだ。そしてそんなスリップ事故がペロトンという集団走行の場で起きれば、どうなる可能性があるかは想像できるだろう。キャリパーが減速装置だったことに対し、ディスクブレーキは強力な停止装置として開発されたものだ。いくらその制動力を弱めたところで、本質的に違う目的で開発されたものを使うことには無理が生じる。ブレーキングには人それぞれ癖があり、そのあたりもじわじわと利くキャリパーブレーキに対し、より制動力が一気に発揮されるディスクでは、戸惑いを感じる選手たちも多くいるだろう。慣れという人もいるかもしれないが、やはり安全装置だけに”慣れ”という言葉で片付けるべきではないと思う。

機材的に見ても車体片側に負荷がかかるディスクブレーキのあり方には疑問がある。マウンテンバイクではまだしも軽量化一辺倒のロードレース機材競争の中ではやはり不安はつきまとう。やはりバランスという観点からは、フレームへのストレスとその箇所から考えても、従来のキャリパーの方に軍配が上がるのは言うまでもない。

今回の件で、雨と下りを得意とするヴィンチェンツォ・ニーバリは「技術革新の方向性としては、新しい技術を使うことは至極当たり前なことではあるし、自分も使ってみたい。」としながらも「むき出しのローターには怖さを感じるし、使うのであればそこに火傷防止のためのガードなどをつけるべきだ。またブレーキタッチも個人差があるので、そのあたり集団走行では不安だ。」としている。言葉を選びながらのニーバリの会見では、明らかにスポンサーへの配慮が感じられた。

立場がそこまで深刻ではない若手選手たちのは比較的自分たちの思ったことを発言しており、「今の段階で、メリットはまったく感じない。」という声が多く聞かれるのと同時に、「怖い」という言葉を口にしている。安全面が第一でなければいけないレースシーンで、選手に怖いと思わせることはいかがなものだろうか?いくら試験段階とはいえ、選手たちからそのような声が上がることをUCIはどう考えているのだろうか?UCIも”現実的にどのような問題が起きるかわからないからこそのテスト期間”とはしているが、業界に後押しされての全面解禁や、過去のUCIがそうであったように不都合なことには目をつむるのではないかとの不安もよぎる。

またプロ選手協会(CPA)は、技術革新が進むことは歓迎しながらも、プロレースの場が商品テストに使われるべきではないとしている。「技術革新が進むことは素晴らしいことだ。ただその開発とテストでのリスクを、選手たちが背負わされるべきではない。今行われているようなプロトタイプの最終テストをワールドツアーレースで選手たちが行うという図式には正直賛成出来ない。選手たちは勝利に命をかけており、そんな場で機材差が結果を左右するような機材のテストを行うべきではない。今回のディスクブレーキに関しても、市販化されていないものが導入されるケースが有ることが明確で、キャリパーブレーキを使用する選手との挙動の違いで落車が発生することは目に見えている。」

またまたプロ選手協会は全選手を対象にアンケートを実施するとしている。「多くの選手達が懸念を表明しており、無記名アンケートを行い、1月中には意見書とともにUCIに提出をする予定だ。また僕らは、実は10月の段階で今回のディスクブレーキを検討にあたり,その検討委員会に僕らの中からも人材を参加させて欲しいと伝えているのだけど、その回答もまだもらっていないんだ。」プロ選手協会は今回の決定が選手たちの意向を置き去りにして行われている事を指摘している。

個人的にはディスクブレーキの使用はプロレースレベルでの必要はないと思うが、一般ユーザー向けには選択肢としてあっていいと思う。ただそれをプロモーションするために選手たちを使うように感じられる今の解禁方法はどうかと思う。プロ選手協会会長のジャンニ・ブーニョも、「今現在行われているような商品の開発と宣伝のためにプロレースを使うのは間違っている。それはレース外で行うべきだ。」と語っている。

またこういった疑問の声が他のメディアからあまり上がらないことにも懸念がある。メーカー商品を宣伝しなければいけないのはわかるが、きちんと議論するために土俵に上げる必要性がある。テスト期間だというのであれば、ちゃんとマイナス面も指摘、そしてもっと議論していくことが必要ではないのだろうか。

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